「はじめまして」
そう声を掛けられて振り返ると、テーブルの清掃をしている男の人。
一言で言うと、イケメン。
「入って2ヶ月の後田純郎って言います」
そう言って、笑顔で自己紹介する純郎さん。
爽やかな笑顔だな。
ただそう感じた。
「はじめまして。今日から復帰します、藤嶺佳奈美です」
笑顔で返すと、彼は続ける。
「ダイとかヤスとかによく話聞いてたよ。あ、俺ちなみに22才のフリーターね」
テーブルの清掃を終えて、通路に出てくる純郎さん。
「1回だけ会ったことあるの、覚えてる?」
「え?」
思い出そうとしても、分からないあたしに彼は少し寂しそうに返した。
「面接のときに、少し話したんだけど」
あぁ、思い出した。
実習の合間に遊びに来たときに丁度面接に来てた人。
緊張してたせいか、今と雰囲気違うみたいに見える
「とりあえずよろしくな」
そう言って肩をぽん、と叩く純郎さん。
何だか少し、心臓がはねた気がした。

