「どしたの?」
何か話があるのかなって思ってたあたしは、無意識に麗真を凝視していた。
そんなあたしを不思議に思った麗真が、不審そうに尋ねる。
「いや、何か用事だったのかなって」
あたしがそう言うと、麗真が少し黙る。
「…あぁ」
言いにくいことなのか、はっきりしない。
麗真にしては珍しいその状況に、あたしは首を傾げる。
「どしたの?」
追い討ちをかけるあたしに、麗真はやっと口を開いた。
「……拓海」
呟かれた名前。
一瞬で、心臓が激しく動き出す。
「あいつ年末帰って来るって」
あたしの様子に戸惑いながらも、麗真が続けた。
「お前に会いたいって」
「………え?」
何で今更、ただそう思った。
もう半年も連絡取ってない。
「あいつ、大学辞めてるんだよ。話したいことあるみたい」

