「何食う?飯食う?」
パラパラとメニューをめくりながら、麗真が尋ねる。
あたしはただ頷き、メニューを覗き込む。
いつも来ているとはいえ、たくさんのメニューに目移りするあたし。
「適当でいい?」
そんなあたしに麗真は笑いながら聞く。
「うん、むしろ助かる」
あたしの答えに、麗真はまた笑う。
丁度飲み物が運ばれて来て、一応乾杯するあたしたち。
麗真は店員を呼び止め、適当に注文する。
「あ、食後にハニートーストも」
一通り注文を終えた麗真は、最後にそう付け足した。
ハニートーストは、あたしの大好物。
この店のは、中でもお気に入り。
「さすが麗真」
あたしが言うと、麗真は少し得意気に笑う。
「さすがに毎回頼んでたら覚えるって」
飲み物と同時に運ばれてきたお通しに箸を伸ばしながら、あたしたちはしばらく笑った。

