「久しぶり―!!!!」


ドアを開けた途端に明るい声。


半年前と変わらない千波サン。


31才、1児の母。


バイト先のパートのおばちゃん。


「お久しぶりです」


笑顔で返すあたし。


藤嶺佳奈美、大学3年生。


「実習お疲れ様。そして今日からまた頑張ろうね」


そう言いながら千波さんはシフト表を見る。


「埜乃ちゃん楽しみにしてたわよ、佳奈ちゃんに会うの」


釣られてシフト表を見る。


埜乃ちゃんは19時入り。


あと1時間後には再会。


シフト表には、見たことのない名前が並ぶ。


「ま、とりあえず入って」


促されるままに、あたしは帽子とサロンを身に纏って店内へと入った。