そんな俺の事情も含めて、電気街に女が居るということは相応しくないのではないかと思うのだ。
 電気街というものは男……いや、ここは敢えて『漢』と呼ぼう。
 漢が自分の崇高なる趣味を、いやただの趣味では無くて『道』を追求するための道具を、いや武器を求めて訪れるべき場所では無いだろうか?
 いずれ合い見えるであろう女体と対峙する時のためにアダルトビデオを購入して研究を怠らず、模擬試合としてエロゲでテクニックを存分に披露するのだ。
 そうやって何十回、何百回と果てしなく繰り返されるシミュレーションの末に――若干の緊張をするだけでメイドさんと会話を交わしてみたり、ジャンケンゲームに興じるという崇高な行為に及ぶ余裕も出てくるというものなのだ。
 そう、電気街に居て良い女とは、メイド喫茶に勤めている者だけだ。
 それが俺の中で出ている結論である。