壁にある電灯のスイッチを押す……天井から下げられた電灯が二、三回チカチカと点滅してからようやく明かりが灯り、ほぼゴミ屋敷である部屋の中を照らしだす。

 雑多な種類のゴミに溢れた部屋の中で、いつも俺が座っているはずの場所――PCが置かれた場所の前に――信じられないようなものを見た。
 それは泥棒では無かったのだが、もしかすれば泥棒以上に意外性に満ちたものである。

――俺の目がおかしくなってしまったんだろうか?

 久しぶりに外に出歩いてカップルなんてものを見たから、メイド喫茶で生身の女の子を見たから。
 隠れていた、俺の心の奥底に眠る願望が俺の視神経にまで作用して――俺に幻覚を見せているのだろうか?
 ともかく、現実では考えられない事が起こったのである。

 俺の身に起こった信じられない出来事とは――俺の、一人暮らしの俺の部屋の中に――『全裸の女の子』が眠っていたのである!