これらの作業は大仕事ではあるが、実に良い暇潰しにもなる。
何より、大事なのは――『自分は孤独』であることがこの時ばかりは完全に肯定されるのだ。
誰も居ない静寂だけが支配している部屋の中で、ただひたすらパソコンに向かってマウスを操作し続ける。
しばらく使用しない不要なデータは圧縮して、専用のフォルダに放り込む。
使用頻度が高いと思われるデータは、デスクトップに近い階層に分かりやすく保存する。
そんな単純な作業を繰り返すうちに、目頭には熱が籠り、指先は感覚が無くなってしまったのではないかと錯覚するほどに重くなる。
腰は長時間の固定に悲鳴を上げ、脚は鉄筋のように硬く弾力を無くす。
しかし、それらに苦痛では無いランナーズハイにも似た快感が伴っていくのだ。
――好きな作業をしている時にのみ訪れる、至福の時間だ。
そうする内に、ハードディスクの中には不要なデータが沈み込み、目に届く部分には上澄みのような上質なデータが残されていくのである。
何より、大事なのは――『自分は孤独』であることがこの時ばかりは完全に肯定されるのだ。
誰も居ない静寂だけが支配している部屋の中で、ただひたすらパソコンに向かってマウスを操作し続ける。
しばらく使用しない不要なデータは圧縮して、専用のフォルダに放り込む。
使用頻度が高いと思われるデータは、デスクトップに近い階層に分かりやすく保存する。
そんな単純な作業を繰り返すうちに、目頭には熱が籠り、指先は感覚が無くなってしまったのではないかと錯覚するほどに重くなる。
腰は長時間の固定に悲鳴を上げ、脚は鉄筋のように硬く弾力を無くす。
しかし、それらに苦痛では無いランナーズハイにも似た快感が伴っていくのだ。
――好きな作業をしている時にのみ訪れる、至福の時間だ。
そうする内に、ハードディスクの中には不要なデータが沈み込み、目に届く部分には上澄みのような上質なデータが残されていくのである。


