HDD彼女

 まあ、データはどれだけ持っていても困るものではないし、せっかく入手したデータなのだから可能な限りは手元に残しておきたいというのも人情である。
 俗に言う『捨てられない症候群』に似たような感情なのかもしれないが、PCのデータならばスペースを取るわけでも無いし、仮にスペースが取られるとしても小さな外付けハードディスク分の大きさだけで実害がある訳でもない。

 もしも一度データを消去してしまって、それが二度と手に入らないなんて状況になってしまったら悔やんでも悔やみきれないというものだろう。
 だから、俺はデータが増えすぎてもなるべく消さずに保存しておくことにしているのだ。
 保険がハードディスク一個分のスペースで済むのならば安いものだと言えるだろう。

 それに、CDやDVDROMというメディアがあるのも分かってはいるが。それらにデータを残すのは保存性という観点においてやや心許ない。
 少し傷が付いてしまっただけで、せっかく保存しておいたデータが消失してしまうというようなリスクを負いたくは無いのだ。

 そういったリスクを大幅に軽減してくれるのがハードディスクだと俺は考えている。
 大容量のデータをスペースは小さめに、かつ最新の製品であれば耐ショック性までも兼ね備えた上で保存してくれるのだ。これほど便利な製品は無いと言えるだろう。
 そのような理由から、俺は保存しているデータが増える度にハードディスクを購入しているのだ。