拓人のお姫様になって一ヶ月位経った。


言葉の通り、拓人はアタシを大切にしてくれた。


本物のお姫様に接するかのように……。



拓人は泊まりに来ても、腕枕をして寝るだけで、アタシに触れてくるコトはなかった。



アタシも軽い女ではない…。


でも、さすがに心配になってきた。


拓人はいつも、寝る時と帰る時に唇に゙チュッ″としてくれる。


それは、挨拶のようなもの。


゙アタシって色気ないのかな…。それとも拓人って…。″



色んな不安がアタシの頭の中を駆け巡る。


頭の中でそんなコトを考えていても、拓人に直接言う勇気はない。



゙どうしたらいいんだろ…。″



アタシはずっと一人で悩んでいた。



♪~

拓人からだった。


「亜美!今から行くから!!」

そう言うと、電話は切れてしまった。