カズさんはニコニコしていて、少しずつ緊張がほぐれていった。


「亜美ちゃん、可愛いね~。」……カズさん。


「えっ。。。全然可愛くないですけど…。」


そう言うと、拓人が隣で微笑んでいる。


「何よ、拓人。今、笑ってたでしょ!?」


「笑ってないって…。亜美は、やっぱり可愛いんだよ。カズさんも、一目見て気に入ってくれたじゃん…(笑)」


アタシは少しだけほっぺたをふくらませて見せた。

「二人はずいぶんと仲がいいみたいだね。いいなぁ~。拓人、俺にもお裾分けしろ。」


カズさんが真剣な顔して言うから、つい笑ってしまった。


すると拓人は、


「カズさん…。そんなコト言ってたら、奥様に怒られますよ~。それに、お裾分けの意味も分かんないし……。」


「拓人はいいよな、独身で。こんなに可愛い亜美ちゃんと、俺んトコ来てさ…。」

二人のやり取りを笑顔で聞いているアタシ。



゙カズさんは結婚してるんだ…。ちょっと以外だな…。″



なんて考えてると、拓人の携帯が鳴った。


♪~


「亜美、ちょっとごめんね。」


そう言うと、足早に店を出て行ってしまった。