すると京香お姉さんが、アタシの方を向いて話し始めた。


｢亜美ちゃん、良かったわね。まだ実感ないと思うけど、お腹の中には二人の子供がいるのよ。体、大切にしてね、妊婦さんなんだから。｣



そう言って、優しい顔をしていた。



ﾞお腹の中に二人の子供…妊婦…。″



そのｺﾄしか頭に残らなかった。


写真を見ながら、呆然とするアタシに京香お姉さんは話し続けた。


｢このｺﾄは、自分の口から拓人に言いなさい。ちゃんと心の整理ができてから。私は、素直に嬉しいのよ。拓人も喜ぶと思うわ。｣



と言って、窓の外を眺めていた。


京香お姉さんは落ち着いていて、少し安心したような表情だった。


｢お腹の中の子供は、日々成長してるの。だから、なるべく早く拓人に話してね！｣


そう言って、京香お姉さんは帰って行った。


一人になってから、何時間経っただろう…。


写真を見ながら、アタシの頭の中はぐちゃぐちゃだった。


気持ちの整理なんてできるはずもなく、時間だけが過ぎていた。