「お客様ですか?」 「ひぃっ・・・!!」 突然、掛けられた言葉のドキッ!!っとさせられる。 声の方には、スラッとした細身の男性が、両手にパイプ椅子を抱えて立っている。 「あっ・・あのっ、18時から面接の・・・」 「あぁ~っ、あんた昨日の電話の人。そこっ。扉開けて中に入って・・・」 男は、ガシャガシャと椅子を並べていく。 あんたって・・・ 昨日の電話の河村さん? 感じ悪いかも・・・? 「入んないの?」 男は、那槻の顔を覗き込む様に見た。