翌日。

朝から30度を超えていた。

俺は手を額に翳して眩しい景色を見つめる。



「祥ちゃん!」

パドックで後ろから俺を呼ぶ声が聞こえる。

振り返ると梓と翔くんが笑って手を振っていた。

「おお!着いたんだな!」

俺も笑った。



計時予選前にその顔を一目見る事が出来て。

俺は肩に入っていた余分な力が抜けて、集中力が増しているのがわかった。