木曜のスポーツ走行後のミーティング。

「本当に勝ちに行くなら、柏原さんのセッティングにしてください」

そう言うのは第二ライダーの北 恭平。

まだ若い。

今年で19歳。

彼は全日本ではST600でエントリーしている。

「まあ、両方が納得いくセッティングで行こう。
柏原に偏り過ぎても、お前の走行も大事だから」

とはチーム監督の池田さん。

そりゃそうだ。

「まあ、俺だけ速く走っても意味ないし」

俺は恭平の肩をポン、と叩いた。