「どうしてもあと一人、講師で欲しいんだ」

頼む!

と頭を下げて来たのは隣の家に住む門真 総一。

俺はそーちゃん、と呼んでいる。

6月始め。

7月最初の日曜日の予定を聞かれた。

その日、そーちゃんのレーシングチームと知り合いのサーキット経営者で毎年恒例サーキット講習会をするらしい。

ただ、例年ならバイクの免許を持っている人を対象に小型・普通・大型に分けて講習するのが今回はキッズコースを新設するらしい。

その講師が足りないのでしてくれ、と。



その日は珍しく、予定が空いていた。



俺は承諾した。