「早く起きなさい!」

両手で祥ちゃんの頬を叩いた。

バチーン!という音が響いて。

徹くんは目を丸くする。



「い…痛い」

祥ちゃんはようやく目を覚ました。

「あ、あれ?」

「もう、終わったから」

「そっかー」

祥ちゃんは伸びをして立ち上がる。

眠り込むのは仕方がない。

8耐開催の朝、目覚めてから一睡もしていなかったのだから。

「徹、ありがとう」

祥ちゃんが徹くんに頭を下げると

「いいよ、祥太郎の事だから、特別だよ」

徹くんは祥ちゃんの肩を叩いて笑った。