幼なじみの彼と彼女〜大人編〜

「…し、祥ちゃん!」

さすがに、5分は苦しかったらしい。

一瞬、油断した隙に梓は俺の唇を離した。

「窒息しそう…」

肩で息をする梓に苦笑いをして

「昔は俺が窒息しかけたよ…
別れようって言った時」

本当に。

嫌いになった訳じゃないのに。

相手の幸せを願って身を引くのがどれほど辛いか。

死ねるものなら、死にたかった。

「…ごめん」

梓の顔が急に悲しくなって、涙を浮かべたから俺は慌てて

「昔の話だよ」

髪の毛を撫でて梓を抱きしめた。