けれど、優勝した事もあって。

ホテルの部屋にたどり着いたのが夜中に近かった。

梓は先に部屋に行かせておいた。



「お疲れ様」

梓が出迎えてくれる。

心の底からホッとした瞬間だった。



「今日はありがとう」

俺はベッドに腰をかけている梓の隣に座った。

こんな近い距離で座ったのは。

14年ぶり…?

「こちらこそ、真剣な祥ちゃんを見せてもらってありがとう」

梓は微笑んだ。



俺はそのまま梓を抱きしめて、そして唇にキスをする。

初めてしたキスは。

別れのキスだった。

今、しているキスは。

再会のキス。



長い年月を経て。

ようやく俺達は、結ばれる。