母の心音(こころね)

「六月九日やった。家の田植えも終わって、仕事を休んで居ったんや。日曜日やった。今日も広い家の中で独りしょんぼりしとったんや、あれやこれや思いながらな。物音一つしない長閑な日やった。こんな時末娘が居ったらなって思ってな、沈んでたんや。そしたらな、家の庭に車が止まって、長女等がやってきたんや。孫二人が大きな声を出してな、家の中に入ってきたんや。そりゃもう、嬉しかったわ。沈んどった気持ちがもうパっと晴れたわ。急に賑やかになってな。そりゃもう、天国に昇った気持ちやった」



帰り来た
娘と語る一時は
老いし我が身に天国の味