「庭の隅にみかんの木があるんや。長女夫婦が来て植えてくれたんや。今では大きな木になってな、窓を開けると、花の匂いが家の中まで匂ってくるんや。甘酸っぱいええ香りでな。この香りをかぐと思い出すんや。末娘がな、アメリカの神父さんを連れて来たときやった。その神父さんな、ええ香りがするなって言うたんや、今でもはっきり覚えとる。今年も花が咲いて、ええ香りを出して居るけど、自分独りでかいで居るんや。みかんの木は何にも言わんけどな」
庭先の
みかんの花は香れども
娘の居ない家は寂しく
庭先の
みかんの花は香れども
娘の居ない家は寂しく


