母の心音(こころね)

母は枯葉のように潔く散り、その後に直ぐ子供等が新芽を出し、また子供等は枯葉となって散り、また孫等は直ぐに新芽を出す。ちょうど枯葉が散るように。

ひらひらと
梢を譲る
枯葉かな




母のノートを読んでこう思った。子を思う母の心を知らなかった。生前に読まなかったことが、かえってよかったような気がする。それの方が、しみじみと心にしみいるからである。そうは言っても、当時が懐かしく、何故か取り残されたような気がする。庭の隅に、摘み残された花のように。

花一輪
摘み残されて
庭の隅

                            (完)