「久我さんは医学生だったから、遺体を調べてくれるのはわかるけど……」

真琴が俺の後ろからついてきながら、文句を続ける

「推理小説のようにいかないことぐらいわかってるさ
警察には連絡したのかよ」

「ええ。雨がやみ次第、ヘリで来てくれるそうよ」

「しばらく来ないってことだけはわかった」

俺は椅子に座ると、大きく息を吐いた

「二人って誰かに殺されたの?
犯人って……もしかして……まだ島にいるのかしら?」

実花が真琴の腕にしがみついた

きっと怖いのだろう

誰かが自分の命を狙っているのかもしれない

もしかして俺も誰かに命を狙われているかもしれない

簡単には殺されるつもりはないが