季節外れの卒業旅行

「ちょっと俺に任せてもらえる?」

瑞希が目を細めて、ぬかるんでいる地面を見つめていた

「何か手掛かりでもあるのか?」

「微かにやけど……足跡があるんや」

瑞希が歩きだした

下を向いて、前に進んだ

足跡をたよりに歩きだして、10分を過ぎただろうか

瑞希が身体を起こすと、舌を鳴らした

「わかるのはここまでや!
この先はわからん
あとは勘やな」

瑞希が首を横に振った

すっかり別荘の建物が見えない森の中に来ていた