季節外れの卒業旅行

実花さんから傘を借りて、外に出る

外は暗かった
7月なのに、少し肌寒い

半袖から出ている腕の体温が、徐々に奪われていく気がした

一歩、足を踏み出すと、水を多く含んだ土がずるっと動いた

地面がぬかるんでいる

雨の上に、歩きにくいときたか

慎重に探さないと、俺らまで遭難しそうだ

「どこから探しましょう?」

徹が首をかしげて質問してきた

「別れて探しても、携帯が通じないから連絡とれないし…ここは三人一緒がいいのか?

近くで見える位置で離れて探すのがいいのか

瑞希はどう思う?」

俺は瑞希に話を振った

男3人
別荘の前で考え込んだ