季節外れの卒業旅行

しっかりとズボンを穿きっぱなしだ

本当に残念な結果だ

初の恋人誕生かと思ったが……無理だったようだな

瑞希にはベッドを共にする女が何人かいたが……
恋人というランクの女性はいなかった

恋人を作れない瑞希は可哀そうな男だ

作れない…というか
作るのが怖いと表現したほうが今の瑞希には合っているのかも

「マジかいなぁ」

瑞希が悔しそうに声をあげた

俺は窓に近づくと、カーテンを開けて部屋に明かりを差し込んだ

俺が期待していたほど明かりはさし込まなかった

外は雨が降っている

灰色の厚い雲から、激しく雨が落ちている

この分だと、今日は部屋で一日を過ごすことになりそうだ