季節外れの卒業旅行

俺はシャワーを浴びると、バスタオルを腰に巻き、フェイスタオルで髪を拭きながら部屋に足を踏み入れた

ベッド座って髪の水気をきると、タオルを肩にかけた

部屋にある小さな冷蔵庫から缶ビールを取り出すと、一気に半分ほど飲みほした

「あともう一つ、気になったのがあったんだが……」

俺は後頭部を掻くと、夕食の風景を思い出した

「そうだ! 薬だ」

谷 涼太は医者から処方されたと言っていた薬を全く飲まずに、外に出かけて行った

それに風邪をひいているように全く見えない

酒も飲んでいたし、食事も大量に食べていた

顔色も良いし、咳やくしゃみもしていない

腹を壊しているようにも見えなかった

どこかを痛めている様子もなかった