季節外れの卒業旅行

2時間も過ぎれば、大皿に乗った食事のほとんどが綺麗に片付いていた

俺はビールを持って、瑞希と会話をしていた

「あ、そろそろ私たちは部屋に戻りますね」

沙羅がナフキンで口元を拭うと、席を立った

続けて、徹も立ち上がる

「なんや、もう部屋に戻ってまうん?
寂しいなあ」

瑞希が酔っぱらった口で、言葉を出した

「夜は恋人たちの時間ですからね」

徹が沙羅の肩を抱いた

「何を言ってるのよ!
眠くなったから、もう寝るのよ」

沙羅が恥ずかしそうに徹の手を払った

「ええなあ…、恋人同士ってのは…
言うてみたいなわ、そういうセリフ!」

「やめてくださいよ!
久我さんまでっ…きゃ…」

沙羅が歩きだした3歩目で何かに躓いた

俺の座っている椅子の脚に引っ掛かったようだ

俺に抱きつくように、沙羅が突っ込んでくる