推理小説を半分ほど読んだところで、部屋のドアがノックされる

時間を見ると、すでに18時55分となっていた

「竜ボン、時間やで…
下に行こうや」

ドアを開けると、眠そうな目の瑞希が立っていた
ついさっきまで寝ていたのだろう

目が少し充血している瑞希が、大きな伸びをすると歩き始めた

別荘は3階建てで、一階がフロント兼ロビーと食堂があった

まだ改装中ではあるが、売店もあった

2階、3階は客室となっている

試行旅行なんて言っていたが、旅行プランにする計画はほとんど決まっているのではないのか?

ほぼ改装している状態で、やっぱりやめた……なんてあるのだろうか?

俺と瑞希が食堂に入ると、実花さんと真琴がせわしなく料理を運んでいた

30畳ほどの広さのある食堂には、大きなテーブルが三つ並んでいる

その一つに、豪華な料理が並んでいた

この別荘にいる従業員は料理を作る持田しかいない

他のスタッフは皆、船で東京に戻っていた

客とは思われていないのだろう

実花さんが呼んだ友人たちで、実践的運用の前にどんな感じなのか……様子を見ようって感じなのだろう