季節外れの卒業旅行

「どうしたの?
もう遅いから、泊まるつもりで仮眠をとってたの」

「解剖室で?」

「うん
だって仮眠室はすでに正規の泊まり組が使うから」

遥は廊下に出てくると、布団代わりに使っていた白衣を羽織った

「明日、泊まりなのに今夜も?」

「あ…明日のは久我くんに変更よ
当たり前でしょ!
もともと10日から12日まで私が夏休みをとる予定だったんだから
明日、朝一で森谷課長に書類を提出したら……久我くんに仕事を引き継いで帰ろうと思ってたの」

「そっか」

「竜也は?」

「俺は13日まで一応、休みの予定だよ
晁斗に呼び出さなければ…の話だけど
事件の処理は全て晁斗に任せたから」

俺がほほ笑むと、遥が俺の頬を触った