季節外れの卒業旅行

「仕事中ですから
何か、用ですか?
真琴さんに面会とかはできませんよ?」

「あ…いえ、違います
久我さんと連絡が取れなくて、藤城さんならどこにいるか知ってるかな?って」

俺は後ろに振り返って瑞希を見つめた

「お客さんだよ」

俺の後ろで話は聞いていただろう
瑞希は、悲しげな顔で笑うと頷いた

「何の用?
俺、忙しいねん」

瑞希が俺の後ろから顔をひょこっと出すと、実花に声をかけた

「話なら廊下でしよか?」

「はい」

実花と瑞希が廊下に出て行った