「発想が貧困なんだ
自分もすでに闇の世界に片足突っ込んでるのに気付かないから、馬鹿な行為に及ぶんだ」

「冷たい言葉だね」

「誰だって己の幸せを願う
己の手で届く範囲の幸せがどれほどもモノなのか
理解していないから、不幸を招くんだ」

俺は個室を出た
天井からの明るい光に俺は目を細めた

事件を捜査する側は何度も味わってきた

事件の当事者となり、そして捜査もしたのは初めての経験だった

微妙に知ってしまった人の想い
それが俺には苦しい