季節外れの卒業旅行

「ど…どうして本庁の捜査一課の人が来てるのよ?」

真琴が驚いた声をあげていた

黒系のスーツを着た男たちが2人と女性が1人
鑑識の制服をきている男たちが2人
そして白衣を着ている女性が一人

合わせて警察関係者が6人
ロビーに立っていた

「小林真琴巡査長ですね
詳しい状況を教えていただきたい」

一歩前に出た男が低い声で、口を開いた

「あ…じゃ、現場に…」

真琴が外に出ようとする

「あ、ちょっと待ってもらえます?」

白衣を着ている女性が、真琴の行動を止めた

「え?」

真琴が女性を見やる

女性は真琴に微笑むと、鞄を持って歩きだした
白衣の裾がゆっくりと揺れた

真琴の横を通りすぎ、食堂の入口まで歩みを進める

「え? ちょ…」

真琴が女性の動きを止めようと腕を掴かもうとするが、するりとかわされてしまった