季節外れの卒業旅行

俺は立ち上がると、ロビーに行こうとする沙羅の目を見た

沙羅は目をぱちくりと開閉すると、首をかしげた

「足に隠していたナイフはもう隠してある?」

沙羅の前に立つと、俺はにっこりと笑った

「え?」

沙羅は驚いた顔をする

徹が沙羅の前に出ると、俺を睨んだ

「凶器を持っていると、疑われる
犯人じゃなくても、太ももに小型ナイフを隠しているなんて……普通はいないからね」

「なんでわかった?」

沙羅のかわりに徹が口を開いた