「でも、家族が増える喜びのほうが大きい。ずっと兄弟が欲しかったし、ママの将来が心配だったし」

私は意地悪な笑顔をママに向ける。

「私は母が選んだ人なら絶対に反対しません。母を信じているし、母が好きになった人なら信じられる人だと思っているから」

私は「ふぅ」と息を吐く。


「桜庭さん、母をよろしくお願いします。
母を愛してくれてありがとうございます」


気持ちはちゃんと伝わっただろうか?

「優季〜」

ママが泣きながら抱き付いてきた。

「く、苦しい…」

死ぬんじゃないかってくらい抱き締められているけど、悪くはない。

私はママの背中に手を回して、肩に顔を埋めた。