恋はモウモク

約束の時間、平塚クンは向かえに来てくれた。

”着いた”っていう合図、携帯のワンコールが鳴った。

お母さんには、「ちょっと遊びに行ってくる」としか言わなかったけど、気づいてるみたいだった。


「来たよ~!」

「うん!どこの公園にしよっか?」

「う~ん。あんま遠くないとこで・・・せせらぎ公園は?」

「いいねぇ~♪じゃ、その近くのコンビ二で買い物すればいいねっ!」

「よおし、じゃあ出発」

二人で並んで歩き出した。ちょうどいい気温で歩いていて気持ちいい。

夜のお散歩だ。おしゃべりしながらゆっくり歩いてく。

手繋ぎたいな・・・・

こういう時男の人から自然に繋いでくれるとか、

「手」  とか言ってくれればいいのになぁ・・・・

なんか、平塚クンが微妙に私との距離を恥ずかしそうにしてるのが伝わってきて、自分から 「手繋ぎたい」って言えないよ・・・

やっぱり、平塚クンって恥ずかしがりや???


10分くらい歩くと、せせらぎ公園が見えてきた。

近くのコンビニで、平塚クンが2本、私が1本のビールと花火を買って公園に入って行く。


私は夜の公園が好き。

昼間子供達が遊んでいた時とは、ぜんぜん違う顔になる場所。

ちょっと怖くて、
ちょっと秘密っぽくて、
色んなことから解き放たれた感じがする。