恋はモウモク

平塚クンの車を見送って、私もすぐに帰ろうと思った。

特に約束はしていない。

でも、私も早く帰らないと、平塚クンを先に誰かに取られてしまうような気がして。

とにかく帰って、「お疲れさま~」って連絡しようと思った。


急いで、後片付けをしてサッサと退社した。なんだかアセる。

私はこれから毎日こんな感じで過ごすのかな??

やっぱり、モヤモヤは消えてなかった。


家に着いて一呼吸置いてから、携帯を握り締めてまた、考えた。

今、掛けても迷惑じゃないかな?

誰か周りにいたりしないかな?

用事もないのに、って思われるかな?


いろいろ頭に浮かんだけど、思い切って、もちろん短縮に登録されている平塚クンの番号を押した。

プルプルプルプル・・・

「はい。」

平塚クンの低い声が聞こえた。

「あっ、お疲れさまぁ~。今大丈夫?」

元気な声で言ってみた。

「うん。さっき帰ってきたとこ。どしたの?」

「今日から残業ないんだもんね。何してるのかな~と思って・・・」

「別に何もしてなかったよ~。今日は仕事も楽だったし・・・」

お互い仕事の話や、会社での出来事なんかを話して普通の会話を30分くらいして、

”またドライヴ行こうね”という曖昧な約束で電話を切った。


不完全燃焼


会話は楽しかった。話してる感じから、今日はずっと家にいるみたいだったからそれは安心したけどっ。でもっ、平塚クンには”いつでも会いたい”はないのかな・・・・?


またしても、モヤモヤが居なくならない。

これは、私から言わないとそうそう会えないってこと!?

それなら頑張らなくちゃね。

そうだ。

私は、まだ平塚クンのこと全部知ってるわけじゃない。

平塚クンだって、私のことどれくらい知ってるだろう・・・。

付き合い始めたばっかだよ!

もうちょっと頑張らなくちゃ!!!