「俺らWCCの創立者は知ってるか?」

二人が首を振る。

「ダメだなぁ。ま、俺も知らんが」
「…おい」
「ま、それは置いといて。簡単に言うと俺らの創立者が性善説を信じて、奴ら…名前はなんだっけな…。まぁ、奴らの創立者は性悪説を信じてたんだ」
「つまり、あれ?生まれながら悪なら治らないから殺しちゃえって奴らなの」
「ま、そんな感じだね」

竜崎が時計を見る。
針はもうすぐ日付を変えようとしていた。

「じゃぁ、そろそろ解散だな。…あ」

竜崎の動きが止まる。

「どうした?」
「報告書書いてない…」
「報告書?」
「わ!ちょ!ヤバ!先に帰るわ!じゃあな!」

竜崎が大慌てで店から出る。
二人の前にはレシート(主に竜崎が飲み食いした)が置いてあった。

「竜崎ぃ!」

店内に二人の叫び声が響いた。

「お客様、お静かにお願いします」