アパートの階段が甲高く響く。
月影は201と書かれたドアの前に立つ。

「てぇっと…鍵は」

…あれ?
無い?
様々なポケットを探るが鍵は見つからない。
月影は試しにドアノブを引いてみる。

ドアが開く。

「あ、鍵かけてなかったのか?」

下駄箱の上に鍵が置いてある。
月影はそのまま封筒を部屋に放ち、シャワーを浴びに行く。

月影が服を脱ぎ、シャワーを浴びる。
シャワーで体中の汗が流れる。
そこで月影は微かな音に気付き、シャワーを止める。

リ…リリ…リ…。

電話が鳴ってる?

月影は急いでシャワーを止めて電話に急ぐ。

「はい、月影ですが」
「プー。プー。プー」
「切りやがった…」

月影は力任せに受話器をたたき付ける。
部屋の隅でペットのマックが小さく鳴く。

「あ、起きてたんだ」
「カーカー」

マックはカラスだ。
普通のカラスと違うのは身体の色が白であること。
昔、黒いカラスにつつかれてるのを助けた時から懐いてくるようになり、ペットにしてみた。
白いカラスと言うのは珍しく、生存確率も低いのだがマックは病気になる気配も無く、今まで過ごしている。