「ねぇ…こっち向いて」 美里がキャンディーを口から出して指先で器用に回す。 僕がゆっくり後ろを向くと美里の顔がすぐ後ろにある事に気付いた。 昔遊園地に一緒に行った事も、映画を観た事も、今に比べたら幸せな事でも無かった。