「電話してごめんね。美月の事で相談があってね。ちょっと聞いて欲しいの」
「なんで? 美月の事でなんの相談?」

「いきなりだけど、あんた美月の事好きでしょ?」

なんだこいつ。いきなり、失礼な奴。
「どうなの?」 「別に、好きじゃないよ」「嘘を言うのは、二人共に下手だね」

何? こいつ、ふざけるな。
「他に用がなければ、切るぞ。」
「待って。あんた、美月に会いたくないの?あたし、美月と話しててあんたの話しが出なかった日は無いんだけど。」

何? 美月… あいつ。「どうなの?あんたは、美月が好きなんでしょ? 早く、言っちゃえよ。」 「で?好きならなんなんだよ?」

「美月、あんたが好きなんだって泣いてたよ。 今は、美月に彼氏がいるのよ? それなのに、美月はあんたが好きだから、相手に申し訳ないって。 あの子悩んでるのに、あんた何もしないの?」
俺だって、美月は好きだ… でも、だからって何が出来る…

「用件だけ言うから、明日。午後7時に、山手公園に来て。 美月に会いなさい。 あんたが、来なければ、美月はあんたを忘れて生きるからさ。伝えたからね。ちゃんと来なさいよ。
あっ、あたしの携帯と美月の携帯の番号教えておくから、あんたのも教えて。」

「俺、携帯ない」
「はぁ まぁ、いいや。教えておくから、メモっといて。明日、ちゃんと来なさいね。美月が好きなら、来なさい。じゃあね」

携帯の番号だけ教えて、彼氏は電話を切った。
番号を眺めながら、俺はどうしたらいいか、考えていた。