愛利は直ぐに入院した。

もう、一人で歩くのもやっとの状態になっていた…

俺は、何も出来なかった。 愛利は、治療を続けず、自分のやりたい事をする道を選んだ。 結果、死期を早めたのかも知れない。
もう、誰の目にも明らかな衰えだった…

5月10日。愛利が入院してから、毎日見舞いに来ていた。

「愛利。それでさ、面白かったぜ」 愛利は返事をしない。
最近では、俺とも話さなくなっていた。


「愛利。トイレ行ってくるな」

「ねぇ。お兄ちゃん…」 立ち上がった背中に愛利が久しぶりに話しかけていた。
「りりぃは、もう死ぬのかな?」俺に問いかけたと言うより、自分に向けた言葉のような、愛利の悲しい声。 「何言ってる。まだまだ大丈夫だろ? 一緒に頑張ろうぜ」
俺は、励ましたつもりだった……


「頑張ってるし…… りりぃ、何も悪いことしてないし… りりぃは、何も悪いことしてないし… なのに、なんで? ねぇ?なんで? なんで、りりぃは死ぬの? りりぃは、生きようと必死に頑張ってる なのに、なんでお兄ちゃんは、頑張れって言うの? 怠けて見える?そう言ったら、頷く?理解する? りりぃは、死にたいように見える?」
愛利は、涙を流しながら、俺を睨み付け言いはなった。


「もぅ、帰って。お兄ちゃん。」


俺は、何も言えなかった… 馬鹿な兄貴だな……