“俺様”大家の王国




学校の実習では、常に四、五人のグループだし、

実家にいた時は必ず祖母が一緒だった。

そして、ここに来てからも、

何かしら理由を付けていつも十郎さんが傍にいた。

知ってしまった。

一人なのは、意外と寂しい事だった……。

集中は出来るけど、つまらない事まで考えてしまう。

だから私はいつの間にか、歌なんて口ずさんでいた。

何となく、流行りの曲ではなく、

高校の時に音楽で習ったイタリア語の歌。

曲名も歌詞もあまり覚えていないけど、

メロディだけは正確に歌えた。