音符のマークの付いたボタンを、軽く押した。 ――ピンポーン 誰も動く気配も無ければ、電気も点かない。 十郎さんは、まだ帰っていないらしい。 私は渡された鍵で、部屋の中に入った。 一応、お邪魔しますと呟いて。 部屋は、真っ暗だった。しかもちょっと、寒い。 私は、さっさと料理に取り掛かる事にした。 暖房を使わせて貰える身分ではないけど、 火を使えば、それなりに体は温まるだろう。