「別に……そういうわけじゃ」 「まあいいや。 これ、陛下からの預かり物と伝言。 『出かけるけど、七時には戻るので、 ご飯を作っておいてください』 だってさ」 渡された小さな封筒に入れられていたのは、 十郎さんの部屋の鍵だった。 ……って、いいの? 勝手に私が入ったりして。 いくら何でも、信用しすぎなんじゃないんだろうか。 金目のものと一緒に、私がいなくなったりしてたら、 どうするつもりなんだろう。 (いや、しないけど)