――ピンポーン 「……誰だ」 こういう時に限って、誰か来るなんて。 知らない人だろうと思った。 っていうか、それ以外多分あり得ない。 だって、私が家を出た事は、誰にも言っていないのだから。 (それともまさか、おばあちゃんが母さんに言っちゃった……?) 私は恐る恐る、小さな魚眼レンズを覗き込んだ。 外にいたのは、拓海さんだった。