何か一つ『仕事』をすれば、その働きの分、家賃を減額するというのも、

暇潰しであり、いつか出会う理想の女性と、少しでも近付くきっかけになればいいと思って決めた事だった。
 

……しかし、その条件を出してからというもの、近隣の善良な不動産屋達は、

まるで結託してそうしているかのように、徹底して若い女性にこの物件を紹介しようとしなかった。

ここに住みたいと願い出たのは、フリーターの男や、

近隣との騒音トラブルが原因で引っ越さざるを得なくなった神経質なピアニストや、

店を持ちたいがために万年金欠のオカマばかり……。
 

まあ、住人の全員が全員、妙齢の女でなくてもいいし、それなりに同性の友人も欲しかったので許可したが、


しばらくして気付くと、部屋は男だけで埋め尽くされそうになっていた。