“俺様”大家の王国




「奈央ちゃん、これからどうするの?」

「そこの窓から外に出ます」

「ええっ! 

ちょっと、いくらなんでも、それは危なすぎるって……!」
 
窓によじ登りかけた私を、みっちー先輩が慌てて止める。

「大丈夫です。

前に見たけど、この窓から雨樋を伝って歩けば、非常階段まですぐですから……」


「雨樋! やっぱり危ないよ。

ちょっと待って……」
 
先輩は、うーんと考えてから、はっとして手を叩いた。

「私が遠くに連れてく!」

「……私を?」


「ううん、HIKARUを! 

『案内します』とか『さっきの子ならこっちですよ』とか言い包めて、

あわよくばそのままデート……ゲフン! 

とりあえず、遠くに行くわ!」


「あ、それ凄く助かります!」


「よし、決まりね! それじゃ!」
 

みっちー先輩は、敬礼をしながら標本室から出て行った。