“俺様”大家の王国

 


――いける。

逃げ切れる。

一旦撒く事が出来れば、どこかに隠れてやり過ごして……!
 
しかし、頼りにしていた空き教室は、今日だけしっかりと施錠されていた。
 
先生の研究室にしてもそうだ。

電気は点いていたが、扉は固く閉ざされていた。

きっと先生達も、それぞれ持ち場に付いているのだろう。

もしくは遊んでいるのだろう。


(どうしよう、隠れる場所が無い……!)
 

すれ違う客達は、怪訝な顔で私を見て通り過ぎていった。

全速力で走るメイド。

恥ずかしいとか目立つとか、どうでもいい事ばかりやけに頭に浮かんだ。
 

更に走る。
 

丁度、角の教室から装飾が見えた。
 

その教室には、白衣を着た先輩達がたくさんいた。