“俺様”大家の王国

 


一方、私は。


「ねえねえ、名前なんていうの?」
 

男性客に尋ねられた私は、素直に即答した。

「『Break Time』です」
 

すると何故か、そのお客は大仰に「どわー!」と叫びながら、どこかへ行ってしまった。


少し離れた場所から、その男性客の友人とみられる男の人達が、

逃げた男性を指差して笑っている。


訳が分からず戸惑っていると、横から春希ちゃんがにやにやしながら、


「今の、あなたの名前を訊いたのよ」
 
と教えてくれた。


「え? ああ……そう言う事か」
 

こんな調子だったので、春希ちゃんが心配するような、

『絡まれて逃げられない状況』には陥らなかった。


……やっぱり私は、何かがちょっと他の子とずれているようだ。