ドアが閉まって一人きりになって、 ようやく私は鞄を下ろした。 持っている中で、一番大きなボストンバッグ。 今日の荷物は、とりあえず持てるだけしか持って来なかった。 残りは後で、こっそりまとめて送るつもりだった。 送り先の住所を、誰にも見られないように……。 寡黙な祖父は心配無いけれど、 祖母にでも知られたら、即座に母に伝わるだろう。 そうなったら、意味が無い。 きっとどこまでも、追いかけて来るだろうから。